凸森の思弁的卵かけごはん

アニメ/マンガ/本/音楽/映画/グルメetc...エンタメ関連を中心に、日々の徒然を綴るブログです。

10月の中央線快速に乗り込んだ夏

 2ヶ月ぐらい僕の家で居候していたカナダの友人が今日帰国した。彼は「コミケの使者」だった。彼は「生野菜セットの魔術師」だった。だがそれ以上に、彼は「「“来年”というバスに乗り遅れた最後の夏」」であった。今日、その彼が中央線快速に乗って「バンクーバーの新宿」に帰って行く。
 僕にとっても彼は「夏」だ。しかし、目黒の秋刀魚が空を飛ぶ自由とエロ同人誌がマグロの養殖場でミクロな食用エビとエビシンクロナイズ・ド・スウィミングする艶美は決して同一線上に存在することを赦されない。10月の居候は六畳の部屋でただ深く、一回も天日干しされることのない花柄布団上を泳ぐ。
 部屋の掃除をした。大きなスーツケースが占領していた空間には忘れられたアニメグッズが散乱していた。例えば、ベットボトルカバー。カバーには2人の女の子がプリントされていて、一人の女の子のおっぱいの部分には綿が入っていておっぱいみたいに盛り上がっている。もう一人の女の子にはない。貧乳。
 僕はそのペットボトルカバーを見つけた時、その盛り上がった部分を5分ほど弄った。そして燃えないゴミ袋に放り込んだ。少し部屋の掃除は終わった。だがまだ終わっていないことがあった。何故なら、僕は彼から宿泊費として2万円貰ったからだ。まだ僕の夏は終わっていない。
 掃除後、僕はパチンコ屋に行き「エヴァンゲリオン7」を一万円分打った。うんともすんともいわず。一万円すった後、僕は本屋に行き吉本隆明の『ひきこもれ』と内田樹の『寝ながら学べる構造主義』とまどか☆マギカのスピンオフマンガの中巻を買った。「これでやっと、秋刀魚を食べられるな」
と僕は思った。