凸森の思弁的卵かけごはん

アニメ/マンガ/本/音楽/映画/グルメetc...エンタメ関連を中心に、日々の徒然を綴るブログです。

切符を切られました

 最悪だ・・・。
失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した
 なにに?
 これに。

 
 深夜0時頃、俺は仕事の外回りのために環状7号線を車で走っていた。今日はいい日だった。なぜなら俺が10年間ずっと愛好しているバンド・VELTPUNCHの新曲がダウンロード配信されたからだ。俺はiPhoneでガンガンにVELTPUNCHをかけてノリノリで運転していた。トロトロ走っている車を追い越していった。すると、バックミラーにパトランプを光らせた覆面パトカーがうっているのに気付いた。「なんだ?この辺で事件があったのか?」と他人事のように思っていた。しかし、いつまでたっても俺の後ろを付いてくるから「これ、もしかして、俺?」と気付くにはあまりにも車内に鳴り響く音楽が"自分が警察に追われている"という事実とミスマッチ過ぎた。俺はハザードランプを付け、端に車を止める。すると案の定、覆面パトカーも止まる。
「すいませーん、ちょっといいですか?」
「はい、なんでしょう」
「あなた、さっきまで自分が何キロで走ってたかわかってますか?」
 つまらない顔をしていた。明らかに「高校時代、部活は柔道をしてました!」と飲み会の自己紹介でデカい声で言いそうな田舎出の24才独身の男がやけに丁寧な口調で俺に尋ねてきた。
「いや、、、60キロぐらいだと思いますけど、、、」
「この道、何キロで走っていいか、わかりませんか?」
 この明らかに俺がスピードオーバーをしているにもかかわらず、回りくどく俺に詰め寄ってくる態度が本当に気に食わなかった。一言言えばいいだけの話だろ!? "あなたはスピードオーバーをしてました。従ってこれだけ罰金を払って下さい"
 こいつ、明らかにガキかキチガイ相手の話法で話している。俺がそんなに簡単に頭に血が上って逆上する人間だと思っているのか?ふざけやがって。
「とりあえず、貴重品だけ持って、こちらに来て下さい」
 俺は覆面パトカーの後部座席へと案内された。
 俺は諸々の説明を受け、住所を聞かれ、拇印を要求された。
「よかったですねぇ〜、29キロオーバーで。30キロオーバーだったら、道路交通法違反で"罰則金"じゃなくて"罰金"扱いで即免停かつ10万円の支払いになりますんで、注意して下さいね〜」
 "〜"が最高に腹立つっつーの♡
 
 解放された後、俺にはまだ外回りが一件残っていたので、俺は目的地に向かって車を走らせた。
 俺は吐き気を感じた。非常に、カフカ的な吐き気を。
 俺は不条理を感じずにはいられなかった。
 どうして、どうして、どうして、こんなことで俺は1万8千円も支払わなければさも"この世に生きることを許されない"ようなことをあいつらは言うんだ!?
 そりゃ普通の27才だったら、1万8千円払うなんてわけないかもしれないさ。
「あ〜ぁ、やっちまった。今月は給料日まで飲み控えるか」ぐらいでなんとかまかなえる金だろうよ。
 だがな、俺にとっては、"月給14万福利厚生無し奨学金返済経済困難につき支払い猶予者"の俺にとってはな、ほとんど死の宣告に等しいんだよ!
 くそーす!
「じゃあお前どうすんの?」だって?
 聞くまでもねーだろ、借金だよ!
 クレジットキャッシングリボルディングな。
 もっと効果的にこの技を使いたかったさ!
 まじで・・・MA☆JI☆DE、
 ふざけてる。
 毎日吐きそうになって今の仕事をなんとか精神崩壊せずに慎ましくやってる俺に対して、この仕打ちはちょっとひどくないか?
 でもな、俺にだって最近、ちょっといいことがあったんだよ。
 まどマギのくじで欲しい景品当たったとかさ、昔のバイト仲間と飯食えたりとかさ、好きな子とLINEしたりさ、面白い本読んだりとかさ、VELTPUNCHの新曲が出たとかさ、そんな小さなことに幸せを感じて、なんとか生きているんだよ。金がなくても、友達が少なくても、仕事に自己充足感を得られなくてもな?
「小さいけれど、確かな幸せ」by 村上春樹
 でも、ダメだ。
 春樹、世の中はそんな綺麗なものだけで構成されてはいないよ。
 全部チャラになった。
 チャラどころかマイナスだよ。
 この世界は確実に俺を殺すためにしか存在しないし、殺されるぐらいならこっちから殺してやるよ、と思ってしまう。

   "ギターを弾いていたら 思い出したんだ あの日のことを
   帰りたくないって 気付きたかった ヤレるサインに
   さよなら 悲しき響く 崩れた 音も立てず
   簡単な数学の 問題のように 答えが出てれば
   僕たちの10代は あんなはずじゃなかった"

 車内ではVELTPUNCHの"Shandygaff in a cold glass"が流れていた。
 あぁ、こいつらは、相変わらずだ。
 相変わらず、灰色で、過ぎ去っていくことばかり歌っていやがる。
 VELTPUNCHというバンドのやっていることは、いっつもこんな感じだ。
 つまり「全てが過ぎ去っていくんだけど、それだけじゃしょーもねーから俺たちはその"過ぎ去り"を歌にしてとりま残しておくよ」ってことなんだ。
 だったら、VELTPUNCH溺愛家の俺に出来ることだって、それだ。
 俺の前を通り過ぎるすべてを、描写すること。
 そのために、俺はブログをほぼ毎日更新することを最近自分に課し始めたんだ。
 このまま死ねるかよ。
 かかってきやがれ。