凸森の思弁的卵かけごはん

アニメ/マンガ/本/音楽/映画/グルメetc...エンタメ関連を中心に、日々の徒然を綴るブログです。

小説

Ex-(Boys)

ある日、時計の針は午前一時を過ぎた頃、原画回収で僕はとあるコンビニで"モンスター"片手にタバコを吸っていた。僕はいつも立川の奥地にあるコンビニで(そのコンビニは僕にとって"折り返し地点"のようなものだった)"モンスター"を買いタバコを吸うのだが…

魔法少女ひとみ☆マギカ

神様 神様 神様 3回あなたの名前を唱えさせて頂きましたので、あなたは今私の目の前にいらっしゃいますわよね?えぇ、きっといらっしゃいますわ。いないはずがありません。わたくし、もう耐えられませんの・・・。我慢の限界ですわ。わたくしは何のために魔…

Re:Re:あなたのこと、愛してました

寒い。 あの日もこんな風に凍てつくように寒かった気がする。 「あなたのこと、好きだけど愛してはいないわ」 高田馬場のHUBであのひとにそう言われた日と、同じように。 あのひとの足下に跪いて涙ながらに懇願してスカートを僕の涙でぐしゃぐしゃに濡らした…

春のゆくえ、愛のおわり

ある夜分のことだった。まだ20代だった時分、私は自転車で帰途についていた。午前三時頃、小さな商店街の道は街灯とコンビニの光のみが辺りを寂しく照らしていた。誰も人はいない。商店街を少し進んで、右に曲がって少し進むと私が間借りしている部屋がある…

うそばっかり

朝、金沢駅東口前の噴水、水時計は5時35分を表示していた。陽子がやってきた。白いノースリーブワンピースに麦わら帽を被っていた。 「待った?」 陽子は麦わら帽を右手で押さえて顔を上げた。俺はすぐにこれは神への罪悪感による俺へのご褒美であることに気…

明け方に仕事が終わった。 帰り道の大久保通り、小さな信号の横断歩道を小中学生が渡っていた。もう、そんな時間だった。最寄り駅前の交差点にも通勤通学の人々で溢れていた。僕はロードバイクから降りて信号を横断した。 青梅街道という大通りから南に外れ…

ひとりの少女

朝起きたら、自分が"自分である"という自信を失っていた。「生まれ変わった」と思えたと同時に、「死んだ」とも思った。外を歩けば何か自分についての自信を取り戻せるような気がしたので、散歩に出かけた。涼しい快晴、BBQにはうってつけの日であることだけ…

「すいません、あなた、、、

びっくりするほど人差し指と中指の付け根を描くの、本当に上手いですね。もしかしたら、この世で一番上手いかもしれません」 これはお世辞でもなんでもなかった。本当に、上手いのだ。 「えぇ、ありがと」 "そうよ。今更気付いたの?"とでも言わんばかりのド…

濡れない男

あぁ、そうだった。雨が降っているのだった。 雨というものに疎くなってきた。最近いつもそうだ。 いくら雨が降ったところで、それは自分には関係のないことだった。仕事を失って以来。 住んでいる部屋は商店街の中にあって、日課は商店街の中のエクセルシー…

宇宙の水

「今日は宇宙から水が降ってきたような日でした」 今日という日を"一言日記"にしてみると、大体そんな感じだ。 地球という器の中にある水が宇宙から大量の水が降り注いで我々の生活する大地に流れ込んでくるような、極大な増幅。地球という規模で考えている…

顔のない姉の惨死

朝帰り。秋も近づいてきて、朝が来るのも遅くなった。ひとつの星がきれいに輝いていた。まるで生き急いでいるみたいだ。みんなが寝静まっている真夜中でしか輝く時間を持たない愚者のように。 「知ってる?東京でひとつの星が見えたとき、それはひとりの人が…

“たそ”の質量

〜えまたその家にて〜 みゃーもり「えまたそ〜」今日は絵の走りの調子が良くて、おいちゃんと同じタイミングで帰ることが出来たから、 おいちゃんを家に招待してオムライスを作ってあげた。えまたそ「なぁーに?(おいちゃんかわいいなぁ)」 みゃーもり「え…

11月19日

今日は冬らしくなく暖かかった。外に出よう、憂鬱そうな顔をしている人を探しに、高揚感を隠しきれずにいた。その角を左だ、そして二つ目の交差点を左、次の公園を通って(「エビシュウマイチーズコロッケのチーズフォンデュ!」と哀悼に暮れているスウェー…